すべての情報が結合するとは

 プレステ2の話からスタートしたこの話題は、そろそろ本題に入ろうとしている。

 WebTVなどが現実になろうとしており、さらにインターネットへのアクセスが月額5千円程度を目標値に定めて歩み寄ろうとしている時期となってきた。まもなく、これらのインフラストラクチャの整備は、望もうが望むまいが実現されるだろう。
 そのときのことを考えなくてはならない。もちろん“攻殻機動隊(GHOST in the Shell)”にあるような超現実が本当になると思っているわけではないが、ネットワーク社会と電脳化が進んでくると、監督の押井が想定したのと逆に、我々は我々自身が情報化するという方向に進んでくるのではないかと考える。
 我々人間は、たしかに情報を作り出すクリエイタとなるが、情報のコンシュマー(消費者)でもある。同時に双方の役割を果たすものとしての、プロシューマという概念を再度考え直す必要がある。
 じつは、このプロシューマという考え方は、20年くらい以前にアスキーが考え出した概念なのだが‥‥本人たちはとっくに忘れちゃっているようだ。
<だって、公式サイトではヒットしなかったんだもん。西君、もう一度思い出したほうが良いよ>

 さて、大切なことは、否が応でも情報社会に突入する状況であることは、ボクが言わなくても分かってくれていると思うけど、社会はどのように変化していくんだろう。

 すべての情報が結合されるということは、コンシュマーである我々が情報を生産することができ、しかも発信することができるということである。
<ほら! プロシューマということが分かったでしょう?>
 となると、我々個人個人がそのまま社会にダイレクトにタッチすることができるということでもある。たとえば、政治だって、現在は間接民主主義という手段を採用しているが、早晩、直接民主主義に移行することになると思われる。
 この直接民主主義は、今の世界にある手段とはかなり異なった方法になるんじゃないかと思われる。つまり、たとえば法令ならば、我々自身が改正に参画することができるという程度の、直接民主主義になるのではないかと思う。
<邪魔ッケじゃないか‥‥>

 もちろん、とっても邪魔ッケなシステムだが、自分たちの社会を自分たちで作り上げていこうと言う動きは、当然あってしかるべきだし、ネットワークされた社会では省庁であれ地方自治体であれ、その動向はすべて我々に公開され監視される事態になる。そうなると、当然だが自分たちが求めていない法令に関しては、代議員を通さずにみずからの力で破棄しようと言う動きを起こすことだろう。
 つまり、いままで図式化されていた‥‥権力者がネットワークを使って我々を管理統治する‥‥というものを考えてはいない。もちろん、その危険性がないわけではないが、そのような権力者が存在するとしたら、もっとも最初にクラックされる目標となるだろう。
 さらに言うなら、すべての人間は当然ほかの人間に監視される対象となる。
 現在、ネットワークでバカやってる者たちの名前は、まもなくブラックリスト化されてネットワークに流されることになるだろう。つまり、IDは匿名ではなくなる‥‥ということである。

 こういう社会が“情報社会”である。
 ところが、こういう社会の話をすると「会社はどうなる。農業はどうなる」という質問が出てくるのだが、これらはすべて残るのである。だって、考えてみて欲しい‥‥工業社会になって農業社会が崩壊したか?‥‥を考えればよい。

 余談だが‥‥狩猟採取社会であったのが、栽培農業社会に移行した時、およそ紀元前5世紀前後だと思われるが、世界宗教と呼ばれるものがほとんど同時に出没した。さらに、加工工業社会に突入した19世紀末には、○○主義と言うものが出てきた。情報社会ではどのように人間の内面を見つめることになるのであろうか‥‥
閑話休題

 この情報社会に、我々はどのような対処をしなくてはならないか‥‥もちろんコンピュータやらネットワークやらを使えるに越したことはないだろうが、使えないから取り残されるとかスポイルされることはない。だって、工業社会になって農業がスポイルされたか?
「だけど農業では儲からない」といわれる。本当にそうなんだろうか? 農業が儲からないのではなく、生産方式が異なったことに気がつかなかったのではないか。工業社会では、ニーズのあるものを生産することで、対価を得ている。ところが、第一次産業ではその方式がとりにくいために、商社なんぞが世界中を駆け巡ってニーズに合うものを漁ってきて、消費者に供給したのである。一種の狩猟社会と言えなくもない。
 つまり、第一次産業は早急にニーズを調査する必要がある。もちろん商社に聞いても良いが、自分たちで市場調査をするべきだろう。

 ところが情報社会では、上に述べたように、消費者と生産者の間柄が極めて近くなってきている。消費者が、ダイレクトに生産者にニーズを伝えることのできる時代なのである。
 現在は、それでも商店などがニーズを取りまとめて生産者からまとめた商品を供給しているが、これは工業製品について考えうる方法であって、第一次生産物には適用する必要のないものである。具体的に言うなら、消費者は自分の好きな生産者に、「おっちゃん。大根3本頂戴ナ」とメールすればよいのである。つまり、互いが生産物なりホームページによって、信頼関係を結ぶと言う前提でこのような関係は成立するのであるが、おそらくはこのように発展することになると思われる。

 情報社会を全部予想することは難しい。
<だって、現実につながっているわけではないんだから‥‥>
 だけど、自分の現実を見回すと、およそ上のようなことが考えられる。だから、具体的なことや抽象的な部分が混在している。しかし、おおよそ外れはないだろう。
 後は、ソニーさんが無線ネットワークを作ってくれると、もっと早く分かるのかもしれない。ア、CATVを使ったネットワークのほうが先か‥‥