知事は社長じゃない!

 長野県知事・田中康夫氏が初登庁をしたニュースが流れてきた。

企業局では幹部らに名刺を渡そうとしたところ、藤井世高局長が「社長が社員に名刺を渡すような会社は倒産する」などと述べ、受け取りを拒否。反発にとまどった田中知事は「(名刺に記載のある)メールアドレスを伝えたいという意味」と説明し、藤井局長もいったん名刺を受け取ったものの、「知事」と書かれた部分を折り曲げた。
http://news.yahoo.co.jp/headlines/mai/001027/dom/06000000_maidomm183.html

 これは一体どういうことなんだろう‥‥と考えた。

 たしかに知事が社長ならば、この考え方は理解できる。「おぉ、企業局長、よくやった!」と誉めてよいだろう。
 しかし、田中知事は選挙で県民に選ばれて、その役職につくのである。つまり、企業局長は県民を無視しようとしているのである。県民の執行代理者として知事はその職につくのであるから、彼をバカにすることは、すなわち県民をバカにすることに等しいのである。

 それにもかかわらず、「藤井局長は、田中知事の退出後、「知事としての認識を持っているのかが分からない」などと苦々しい表情で話すなど、新知事にとって厳しい船出になった」などとコメントしている毎日の記者はどこに視点を置いているのか‥‥。国民の代表としてニュースを伝えるのであれば、明確に企業局長を批判はしなくてはなるまい。

 このことは長野県民からも厳しい反応があったらしい。信濃毎日新聞には

午後。企業局をあいさつに訪れた田中知事から名刺を差し出された藤井世高・企業局長は「社長が部下に名刺を渡すのは、倒産する会社」と拒否。知事が「メールアドレスもある」と手渡すと、今度は「これはないことにさせていただきます」と、目の前で、「知事」の部分が裏になるように名前との間を折った。
 藤井局長は「任命権者が部下にいちいち名刺を配る行為自身がおかしい。これはパフォーマンスだ」と怒りもあらわ。「『目線を合わせて一緒にやりましょう』で、知事の使命を果たせるのか」と言い切った。
 ただ、この対応には気まずさと緊張感が広がった。四十代の職員は「庁内の人同士で名刺交換はしないが、その人の前で名刺を丸めることも絶対にしない。どういうつもりなのか」。
 名刺を折るシーンがテレビで放映された夕方以降、県庁には抗議電話が殺到。五回線ある交換台の電話は鳴りっぱなし。「けしからん」「県民をばかにしている」。残業の同局職員だけでなく、警備職員二人も深夜まで対応に追われた。
http://www.shinmai.co.jp/news/2000/10/27/002.htm

とある。名刺を折ったからだと信濃毎日は理解しているようだが、それはたんにきっかけに過ぎない。田中氏に投票したかどうかは別にして、長野県民が選んだ人間をバカにしたから怒ったのである。

 長野県庁の部局長会議でも同様の批判が渦巻いたらしい。「いままでの県政を全否定しているようで‥‥」と農政局長とやらがほざいているTV番組を見たが、その通りなのである。県民が、県庁ならびに前県知事のやったことを全否定したのである。
 農政局長を否定しているのではないことに注目すべきである。前県知事ではなく、農政局長がやったのであれば、彼の言葉は正しい。しかし、執行権を持っていたのは前県知事のはずである。
 それとも、県知事などは無視して、たかが小役人が勝手に執行権を握っていたというのか‥‥。それならば越権行為なのであるから、とうぜん処分対象者である。

 ボク自身は田中康夫を支持する者ではない。しかし、今回のニュースを見ていて、県庁職員と知事が馴れ合いになっているのを見てしまった。これはすでに行政システムとは呼べない。
 当然の権利として、田中長野県知事は知事の執行権を侵そうとする者を処分すべきである。それも即刻。それが長野県民の望んだことなのであるから、そうすべきである。ありがたいことに、どうも処分対象者は管理職などというものに着いているのであるから、組合のことなど考える必要はない。

2001?07?01?