御正忌報恩講考
ごしょうきほうおんこうこう

 順調に本願寺(西本願寺)の御正忌報恩講がお勤まりになっています。今年も昨年どおり本願寺のホームページでは儀式の様子がインターネットでビデオ配信されていますので、それをご覧いただくとどのようなものかはお分かりになると思います。
 もちろん、総御堂
(そうみどう)の中も映しておりますし、総会所(そうがいしょ)でのお説経もお聴聞いただけます。ありがたいのは、1月15日の夜を徹して行われる通夜布教です。本当に朝までお説経をお聴聞して、16日の晨朝に参拝してお帰りになるわけです。それでも足りなくて、10時からの報恩講式もお勤めになってお帰りになるのが恒例になっておられるご門徒さんたちもたくさんおられます。ぜひともビデオ配信でよろしいですから見ていただきたいと思います。

 さてと、この報恩講、御正忌は全国各地の末寺でも、しかもご門徒の皆様方のご家庭でもお勤めいただきます。そこで様々な風習も出来上がっているわけです。
 特に有名なのは“五箇山の報恩講料理”でしょう。そこでは「ほうおんこう」なんて呼び方はせずに「ほんこさん」と呼び習わして、みんなで伝えています。五箇山は合掌造りの村ということで世界遺産にもなっていますが、その屋根の葺き替えは大作業です。その大作業を成し遂げているのは、このほんこさんのお料理などで代表される「講
(こう)」の付き合いでしょう。
 単に法話を聞かせていただくというだけではなく、講で近所がしょっちゅう集まることが第一であり、互いに凡夫であることを聞かせていただくことによってお互いを許しあうということができるのだと思われます。まさに世界遺産となったのは、合掌造りではなく「講」を支えている信仰であると言わねばならんと思います。

 もちろん五箇山だけでなく、北陸ではごく普通のこととして報恩講を大切にしています。その例が白峰村の報恩講でしょう。ここにも報恩講で振る舞われる「お斎(とき)」が紹介されています。

 都市部ではこういう風習がなくなった? いえいえ、もちろん東京でも同じように報恩講は続いています。新しい試みとして御伝鈔(ごでんしょう)の拝読を現代文で行っていたり、新たな風習が出てこようとしています。
 どこのお寺でも一年でもっとも大切な行事ですから、準備が大忙しです。そんな準備の様子を伝えてくれるのが西念寺さん。準備の様子が良く分かります。
 また、報恩講に際して他のイベントを組み合わせてお参りを増やそうというお寺も見られます。長徳寺さんではライブをやるようです。

 ご家庭での報恩講は、住職が一軒一軒回っていくところもあります。徳勝寺では遠くのご門徒さんのご家庭へ回っています。そんな折の一こまが神通寺報にありました。

 さて御正忌報恩講についての説明をよんでみてください。残念ながら荘厳の写真がリンク切れになっていますけど、おおよそつかめると思います。荘厳の準備はこちらにあります。ここでも分かるように、様々な準備をご門徒さんたちと行います。一番大きな行事であると共に、一番の楽しみでもあるのです。しかしおもしろいことに、どこの地方であってもほぼ同じような荘厳なんですネ。真宗の風習というか、真宗としての風土のようなものがあるのでしょう。
 これはどこの地方であろうが同じようです。公会堂の報恩講なんていうのもあったり、地区ごとの報恩講があったり‥‥浄土真宗と御正忌報恩講は地下水のように日本の文化の深い部分に連綿と息づいているようです。