インターネットの活用

(1)インターネットとは何か

 インターネットを使うと何ができるか…最初にこれから話を始めたいと思います。

 インターネットというのは、世界中のコンピュータをつなぐための一種のボランティア組織です。決して何か大きな権力組織が統括して制御しているわけではありません。お互いが持っている情報を公開しながら、必要な情報を使わせてもらおうというシステムです。

 仕組みは、網の目を想像してもらえると分かりやすいと思います。網の目の結び目に当たるところにコンピュータがあり、網の糸が電話回線や直接回線でできています。コンピュータ同士は、網上のすべてのコンピュータを知っているわけではありませんが、順送りに探索ができますので、最終的に世界中のコンピュータが認識できるようになっています。

 このような網ができあがっていますので、情報のやり取りは、宛名を付けて順送りに相手に送っていきます。もし、一つの経路に障害が出ると、別の経路をたどってリレーしていくというシステムです。もちろん受け渡しスピードが速いので、瞬時に届くように見えますが、実際にはバケツリレーと同じやり方です。

 我々がインターネットに参加する場合は、その結び目の一つに電話をかけて、この大きな網の一つとして繋ぐということになります。このようなサービスをしている会社をプロバイダ(ISP:Internet Service Provider の略)と呼び、どこかの会社と契約してあなた自身のID(利用者を識別する符号)を貰わなくてはなりません。

 注意したいのは、このサービス料金と電話料金とは別料金になっています。電話料金は時間制になっていますが、サービス料金は月にいくらかの固定性の場合が多いようです。二重に料金がかかっていることを忘れてはいけません。もちろん、NTT(OCNダイヤルアップ)のように同じ場所から請求がくるので分かりにくい場合もあります。

 使用頻度にもよりますが、平均的には電話代とサービス料とで月額5千円程度のようです。

 インターネットに接続するには、パソコンとモデムと電話回線とが必要です。モデムというのは通常パソコンに内蔵されていますので、購入店で聞いていただけると確認できると思います。設定の細かな話は来月号でお話する予定です。パソコンといっても高価なものを用意する必要はありません。しかし古いパソコンでインターネットにつなぐのは少々無謀かもしれません。キーワードは「Windows95」(ウィンドウズ95)「Windows98」(ウィンドウズ98)とか「iMac」(アイ・マック)です。

 現時点で、机上用パソコンの価格は10万円程度です。ノート型だと20万円程度になります。初めてインターネットを始めたいのなら、パソコン専門店でそのように言ってください。月額4千円以下で、接続料金からパソコンまで揃う(NTTコミュニケーションズ)セットもあります。初めての場合はそのようなサービスのご利用もお薦めです。

 現在では、小学校からパソコンを使うことが正課になろうとしています。インターネットに詳しい中高校生がいますので、ご門徒のお子達に聞いてみてはいかがでしようか。おそらく詳しく教えてくれると思います。ご住職と話をしたことのないお子達でも、コンピュータやインターネットの話だと一生懸命に話してくれると思います。ひょっとすると、良い教化のチャンスが生まれるかもしれません。

 さてインターネットにつながるとどのようなことができるでしょうか。通常使うのは、電子メールとホームページでしょう。

@電子メール

 電子メールというのは、手紙をインターネット経由で相手のパソコンに送ることのできるものです。もちろん、パソコン対パソコンなのですが、最近は携帯電話(NTT DoCoMo モードなど)ともやり取りができるようになりました。パソコンを持っていない相手には、印刷して手紙として送り届けてくれるサービス(ハイブリッドめ〜る)も始まっています。

 仕組みは…インターネットでお話をしたように、メールはバケツリレー方式でプロバイダにあるあなたの私書箱に入れられます。次にあなたが接続をして、メールソフトを使って私書箱からメールを取り出せます。

 注意したいのは、接続とメールソフトの起動をしなければ、メールは私書箱に溜まっているだけだ、という点です。このためにメールソフトには、自動的に私書箱を確認に行く機能があります。ポクの場合は10分に一回に設定していますが、通常は1〜2時間に一回程度のものでしょう。その自動確認も、パソコンの電源が入っていなければ、動きませんので念のため。

 メールを送るのも、同じように相手のプロバイダの私書箱に入れられます。そのため相手に届いたかどうかを知る方法はほとんどありません。ですから、メールが届いたら何かの形で返信をしてあげましょう。「お手紙ありがとうございます。ただ今取り込み中なので…」というしゃれたお礼状を自動で返信してくれる人がおられます。これなどとっても嬉しいですね。

 さて、メールではもっといろんなことが楽しめます。たとえば新聞社などが送ってくれる無料配信などは、毎日ニュースダイジェストを送ってくれます。全国31社の地方新聞のダイジェストが送られてくるサービスは、かなり役に立つサービスです。

 コンピュータの会社からは、新しいサービス情報なども送るサービスがあります。これらも無料配信がほとんどです。不必要なダイレクトメールなども届きますが、けっこう役に立つ情報が自動的に届けられます。

Aホームページ

 インターネットといえばホームページというほど、代表的なサービスになってしまいました。このホームページには、インターネット・エクスプローラーとかネットスケープ・ナビゲーターというプラウザと呼ばれる閲覧ソフトが必要になります。通常はパソコンには、どちらかのソフトが最初から組み込まれています。別のブラウザを使ってみたい場合は、無料でそのソフトを手に入れることができるようになっています。

 さて、ホームページでは文字情報だけでなく、絵や写真・ビデオ・音や音楽なども楽しむことができます。これがマルチメディアといわれるゆえんです。見ているものが判断しなくても、プラウザが絵やビデオであることを自動的に判断して、ちやんと画面に表示してくれるわけです。

 このような機能を使って、どんな情報が手に入るでしょうか。我々にもっとも密接な情報では、大正新修大蔵経の全文(http://www.l.utokyo.ac.jp/~sat/japan/印度学仏教学会の論文データベース(http://www.inbuds.org/jpn/が手に入ります。もちろん仏教書総目録(http://www.bukkyosho.gr.jp/も検索できます。必要な書籍が見つかったら、紀伊国屋書店クロネコ・ブックサービスなどで、コンピュータから直接注文することができ、自宅に届けてくれます。

 他に我々がすぐに必要な情報としては、辞書があります。チベット語・パーリ語・サンスクリット語の辞書などは、すでにインターネット上で用意されています。

 本願寺派の寺院もたくさんホームページを作っていますので、そこを見ることもできます。もちろん本願寺のページ(http://www.hongwanji.or.jpも見られます。

 このような硬い情報ばかりでなく、コンサート情報やそのチケットを取ることもできますし、博物館や美術館の案内も覗けますし、CDやDVDなどもじかに届けてくれます。

 ことに龍谷大学大谷探検隊の収蔵物(http://www.krlnec-unet.ocn.ne.jp/projects/silk/OHTANI/を公開しています。これなどは現物を見る機会がほとんどないのですから、インターネットならではのものだといえるでしょう。

マルチメディアに関して

 最後に少し最近の動向を書いておきたいと思います。いままでのホームページは、文字と絵や写真という静的な情報がほとんどでした。しかし、接続が多くなるに従い、網の太さが太くなってきました。これは接続スピードという言い方もあります。

 現在、皆さんが接続する場合、通常の電話回線だと56kbpslSDN回線だと64kbpsというスピードで結ばれています。ところが2010年までにNTTは各家庭に光ケーブルを通して、これを1.65 Mbps という現在の約20倍以上のスピードにしようと計画しています。

 こうなるとビデオをそのまま配信しても、現在のTV程度の品質の画像を送ることができます。そこで、インターネットでTV番組を配信したり、ラジオ番組を配信するということが、急に現実味を帯びた話になってきました。

 すでに本願寺派では、一昨年の蓮師法要で生中継をビデオ配信しました。これは世界で始めての宗教行事中継となりました。かなり画像が荒かったり、途中で途切れたりしましたが、先ほど言いましたスピードの問題で、このような現象が起きたのでした。

 このように接続のスピードが上がったり、常時接続しても値段が同じになったりと、インターネットのサービスは今後も益々身近なものとなってくることでしょう。他にも、電話回線ではなく、ケーブルTVを使ったり、衛星通信を使ったり、無線で接続したりと、さまざまな技術が網を太くするために準備されつつあります。

 このような動きは、マルチメディアというキーワードのための動きだと思ってください。

 インターネットというシステムは、いま始まったばかりだといえます。これから益々広がり、ますます使いやすくなります。それを利用して、我々が仏教をどのように広めることができるか。それはこの時代に生まれ合わせた我々の責務だといえると思います。

 一年間、インターネット技術をどのように寺院活動に利用することができるのかを、宗報とホームページを連動して考えていきたいと思います。

 このシリーズに関するご質問などは、直接筑後宛てにお送りください。メールは「booze@daigo.or.jpFAXは「0879-23-2008」です。

 現在、本願寺でも質問用のメールアドレスの設定や、会議室の新設を計画中ですが、原稿執筆時点ではでき上がっておりませんので、上記にお願いいたします。